今回はネット記事で独身税について書かれていたので、その事と関連して日本政府の少子化問題対策について取り上げてみたいと思います。
日本の少子化問題は十数年前から取り上げられており、日本政府が主導する取り組みが行われています。
しかし歯止めは利かず、今も進行している状態です。
独身税とは文字通り独身の方にかける税金で独身者に早期の結婚を促し、少子化対策に繋げることが目的ですが、私は正直言って逆効果だと思います。
ネットの掲示板でも独身税について様々な意見が飛び交ってます。
まずはその声を取り上げたいと思います。
【反対意見】
・『ただでさえ一人だから老後のために少しでも蓄えたいのに』
・『独身の人のお金がますますなくなって結婚が遠のく』
・『税という名の罰金みたい。婚活がうまくいかなくて辛いのに』
・『結婚や出産のたびにご祝儀を強制的に払ってきた。実質独身税はしっかり払い終わったと思っている』
・『既婚者で出産する人の分の仕事もサポートしているのに』
など、不平不満の声が多いですね。
【賛成意見】
『社会共同体の存続のためには子供が必要、なので子供作った人には税金を優遇して、作ってない人から少し負担してもらう完璧な理論』
などです。
このような意見にも反論があって、『経済力がない人の方が結婚できない、結果お金がない弱者に負担を強いることになる』という声もありました。
結婚相談所を運営している立場から言わせていただくと、所詮政治家は金を集める事と、悪人のくせに善人ヅラして選挙前だけ良い人アピールして支持と票を集めることしか頭にない上に、自分は異性との出会いや交際のご縁も引く手あまたで苦労していないので、そもそも結婚せず(できずに)独身でいる人が多い理由を全く理解していないな~と感じます。
婚活現場で苦労されている婚活者を見てきた実情もピックアップして考えていきたいと思います。
①独身者は皆が皆、望んで独身でいるわけではない
独身税があった方がいいと思う人、独身税が導入されたら結婚が増えると思っている人は、独身が多い理由を分かっていないと思います。
まず理解していただきたいのは結婚はお金がなくてもできないですが、相手がいなくてはお金があっても結婚できません。
結婚は自分だけではどうにもならないことです。
周りから見ると、独身でいるとワガママに生きているように思われがちですが、結婚したくて交際していても、お相手が結婚を決意してくれない人だったら独身です。
結婚は相手あってのことなので自分だけが結婚したくてもできないわけです。
結婚は自分の意志だけでは決められなくて本当は結婚したいと思っている人も多いのに、独身税が課せられたら納得いかないですよね。
結婚していない男性は収入が安定していない非正規社員だったり年収が高くない人も多いです。
男性は結婚したくても経済的な理由で結婚できてないケースも多くみられます。
女性は結婚したいと思っていても、交際している男性が結婚しようと思ってくれない、もしくは結婚したいと思える男性と出会えないという人が多いです。
20代で学生時代や職場で出会った人と結婚した人にはなかなか理解できないことだと思いますが、30歳を過ぎてしまうと、何か婚活をしていないと新しい出会いは全くないという人が現状です。
でも周りからは『高く条件見積もっているんでしょ?』といった目で見られ、美人なのに独身なのは何かあると敬遠されて、ますます結婚も遠のいていくことになります。
独身でいる理由は、自分で決めて自由を謳歌したいからという人もいますけど、実は結婚したくても出来てない人が多いのが現実です。
このような状況を改善する対策として、独身者への課税が効果あるでしょうか?
②外国の導入国から検証する【独身税導入で結婚する人は増えるのか?
前述のように雇用が安定していなくて年収も増えない人も多くて、そもそも貯蓄もないので結婚どころではない人が多いです。
独身税を導入したところで『じゃあ結婚しよう』とはならないはずです。
実際独身税を導入して結婚が増えるかについての結論は出ています。
この独身税を実際に導入した国もありブルガリアで1968年から1989年に独身税が導入されていました。
30年以上前になりますが、約20年にもわたり導入されていて独身税の割合は収入の5%から10%というかなり大きい負担が課せられました。
結果は導入前は2.18%だった出生率が1.86%に下がり、なんと独身税導入前よりも出産率が減少という結果になってしまいました。
下がった理由として、独身税が高いので、お金をためることができず、結婚できないし、子どもも作れないという、目的と逆の悪循環を生むことになってしまったのです。
先ほど言った通りですね。
また、独身税から逃れるため偽装結婚を助長するということで、導入から約21年で廃止となりました。
このように他国で失敗した対策を日本で導入する意味はないと個人的に思いますけどね・・・
結婚は自分では結婚しようと思ったとしても結婚は相手あってのこと、自分だけでどうにかできることではありません。
婚活をしている人も年々増えているのに格差が生まれて結婚できない人も多い現実もあります。
独身税、要するに独身者に罰を与えて、無理矢理結婚させようする。
しかし現実問題が解決されないので結婚できない。
それよりも独身者の現状、苦悩を理解して結婚できるサポートを日本政府が行う。
結婚できない問題が解決されればもともと結婚願望がある人は結婚に進む。
結婚したいと思えるようになるためにも雇用が安定して年収も増える社会になるように政治家には頑張っていただきたいものです。
③少子化問題解決を妨げているのは実は政治家?
これに限らず少子化対策と言い、大臣を置き予算を使っている割に全く効果がないのは、全くとんちんかんな認識で逆効果なことをしている政治家が多いからです。
少子化問題で記事に出てくる出生率、出生数という言葉があります。
これには二つあります。
【合計特殊出生率】15歳から49歳までの女性が一生の間に産む子供の平均数
【完結出生児数】結婚している夫婦が儲ける子供の平均数
【合計特殊出生率】の数字を追いかけながら【完結出生児数】を上げる政策だけして【合計特殊出生率】が上らないと騒いでいるのは頭大丈夫か?としか思えないですね。
よく選挙の時だけ、『少子高齢化問題が~』とか言っていますが、やっている事は政府の少子化対策の経済的支援を子ども手当や不妊治療に関することなど結婚してから出産に関することばかりです。
確かにそれで助かっている家庭もあると思いますが、そもそも結婚する人が増えなければ少子化問題直接の問題解決にはならないわけです。
少子化、少子化と言われている現在でも、実際街行く人に目を向ければ、子供2人を連れたご夫婦がどれだけ多いかは多くの方が感じておられると思います。
このようなご夫婦を増やすこと、つまり既婚率上昇が少子化問題を解決するには大切だと思います。
しかし、政治がやっている事は何とかの一つ覚えの育児費用ばら撒きオンリーです。
政府が少子化を解決するにはバラマキだけより、それも並行しつつ未婚率を下げる部分に当てる方が明らかに解決に繋がると思いますが、今の政治家がやっている事は選挙での票稼ぎのためか?、やれ女性の自立だ、女性の活躍社会が、と男女対立を煽り、違う特性を持つ男女同士が力を合わせ助け合う風潮を壊し、家族の価値や意義さえ破壊されています。
結果個人主義になり、男性の結婚の意欲を奪い、また女性は仕事で責任を押し付けられ結婚の機会を奪われ、未婚率が上昇、結果少子化が増進する。
こう見たら少子化の原因を作っているのは、女性の社会的地位、権利というネタで甘い汁を吸う政治家と、それを煽り飯のタネにしているマスコミという事が見えてきます。
本当に少子化を解決する方法は、男女が互いに尊敬し合い、力を合わせられる風潮を作って真の男女平等、男女協調社会を整備することだと思いますが皆様はどうお感じでしょうか?
さらに政府はAI婚活に対する支援を打ち出しています。
AIがお相手探しをサポートするシステムです。
これに政府は20億円の予算を計上しているそうです。
すごい金額ですね・・・。
しかしこのシステム、察しの良い方はピンときたでしょうが、AIが決めた相手には無条件で交際する、従うという事をしないとカップリングが成り立たないシステムですね。
(もちろん断れますが)
結婚相談業従事されている方で、こちらが紹介したお相手と文句言わずにお見合い、交際しますという方ばかりだったらどれだけ楽かというのが共通の本音だと思います。
現実はそんなことを言う方はなかなかいないので婚活者、カウンセラー共に苦戦しているんだと思います。
自由恋愛の延長のような婚活をされたいという方はいいサービスかもしれませんが、今まで自分のペース、やり方でうまくいかなかった方に対しては、中間にカウンセラーが入って行う結婚相談所のシステムの方が成婚にたどり着く確率が高いのでお勧めですし、既婚率を上げる成果を出している婚活システムだと思いますが、この政府の方策は、結婚相談所に対する民業圧迫につながりませんか?と感じますね。
よく政治家が税金の無駄遣い廃止ということを言っていますが、企業も費用対効果とあるように政府も予算を投入した以上の成果を出すにはどんな使い方をどこに使うのか?成果はどれくらい出るのか?事実検証して行って欲しいと思いますね。
人によって婚活に対する意識の違いもあり、向き不向きもありますので自分に合った婚活サービスを自由に選択できるように、政府はAI婚活に限らずにすべての婚活サービス利用者に均一のサポートをする方が結婚を促進するという本来の目的に沿った予算利用になると私は思います。
参照記事:【あなたはどっちが向いている?】婚活アプリと結婚相談所の違い 徹底比較
https://siawase-enmusubi.blog.jp/archives/13317114.html
いずれにしても独身税のありなしだけで結婚するかどうかが左右されるほど単調かつ短絡的な問題ではない事、婚活されている方や婚活の現場の苦労を今まで体験したことのない政治家関係者は今一度婚活現場に目と耳を向け、理解していただきたいと思いました。
今回の記事が現在、婚活されている方のお役に立てば幸いです。