一連の過労死問題踏まえて、政府が「働き方改革」PRして成立させた労働基準法改正
私は国民の労働問題に対して、政治関心を持つこと自体は大変喜ばしいと思いますが、その議論の中身を見てみると、現場で汗を流して働く国民の事を全く理解していない浮世離れした議論だと感じます。

 
そこで国民の立場、労働事情について全く無知、無関心で、国民の日頃の苦労を理解しない政治家に代わって、問題の本質は何なのか?政治はどうすべきなのか?考えていきたいと思います。

 

 

大前提として健康面、人権面などの点から強制的な長時間労働問題の解決当然です。

 

しかし、その本質的なポイントは、「強制的」「日常的、慢性的」な長時間労働負担なのか?という点です。

つまり、1年中いつも忙しくて残業する」のか「ある時期だけ忙しくて残業する」のかではまったく別のになります

政治家の議論では、これが混同されているようにしか思えません。

 

一時期国会で議論されていのは、刑事上の罰則付きの法定労働時間上限を、月100時間とすることなどです。

法律で100時間の残業」上限をオーバーすることは認められなくなります

 

これでは、多くの業種にとって影響が出てしまいます。

年末年始、GW、お盆、イベントなどで「今月は特に忙しい」という経験は、どの業種にも多くあるのではないでしょうか。

 

1日休みがあり、土曜日は出勤、そして毎日3時間程度の残業をした場合、月100時間に到達してしまいます。

毎月ではないのにその稼ぎ時の時期だけでも、「1年のうち、1カ月でも超えてはいけない」ということは、企業、業界、経済を潰してしまうことにならないか?とも思うわけです。

 

現に、長時間労働問題の議論をしている厚生労働省などの官庁でも、国会対応時では野党の意地悪な質問通告書の為に官僚が夜を徹して準備しています。

このような案件と上記のような攻め時の時期の労働時間とを100時間超えは問題だ」と一緒くたにするのは、全く問題解決の議論として何の解決にもならないと思います。

 
いま現在、ただでさえ外国人労働者がいないと、少子化の影響で明らかに労働力不足となっています。

 

飲食店を例にとると、店をたたむ原因に経営不振の次が、従業員が足りなく運営ができない事が挙げられます。

労働人口が減る中で、さらに1人当たりの労働時間も減らすとなれば、1人当たりの「生産性」をどう上げるのかという問題になるでしょう。
どうやって政治家はこの部分を穴埋めする気なのでしょうか?

 

また、数字一辺倒の長時間労働規制は、技術習得のための労働」も禁止してしまいます

多くの方が、若いときに技術を上げるために休日に出勤して腕を磨いた、勉強したという経験があると思います。

しかしこの法律では、将来の夢や自立的に技術習得のために労働しながら研鑽を積みたいと思ってる若手も、規制対象となってしまうという点も問題で

これで日本は国際競争に打ち勝てる人材を育てられるのでしょうか?

 

もちろん、「形式的には自主的だが、実は強制されている」ということのないように、チェックする方策の必要があります。

 

また、残業規制の問題は当然ながら労働者側からも批判があります。

特に「来月は急な支払いや恋人、家族の誕生日があるから、今月頑張って残業して収入を得ようなどということができなくなってしまいます。

 

労働者にとって大きな収入源である時間外労働の削減に、労働者側が反対するのは当然です。

 

従業員が必要な時間が決まっている業種もあります。

不要な時間は【待機】と言う名のもとの長時間休憩させられることで労働時間の調整がされる恐れもあります。

 

労働者として何のメリットがあるのでしょうか?

 

この労働時間の問題はこのように一つ一つ考えていくと「売り上げが減っても、労働時間を減らす」でもいいのか?という疑問に行き着いてしまいます

 

国民がもっと働きたくても制限をかけ働かせないようにして収入を減らさせる。

そのくせ増税はする。
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もっと仕事をしたいと思っている国民の労働時間に制限をかけ、人手が足りないから外国人を入れる。

これっておかしくないですか?

いったい今の自民党政権はどこの国の政治家だ?

自分の能力アップのため、自発的に自由な時間に研鑽を積むために働くことさえも政治が禁止して、将来の為に努力し成長する機会さえ奪ってしまうことが日本の将来の産業、経済発展及び国際競争にとって日本にどんな悪影響が出るのか?

ここを政治家は深く考えるべきだと思います。

 

最後に、私から論点として重要なものを提言させていただきます。

まず、労働者側が将来の夢、目標の為「自主的に」技術研鑽をしたいとする場合、労働時間規制を外す申請を出せば認められる制度にするべきです。

 

各自の生活上の理由によりもっと仕事をして収入を得たい場合も申請制度を設けるべきです。

 
今現在、アルバイトの雇用の場でも、労働時間規制でもっと収入が必要だと思ってもこの法律の為に雇用しない事例が出ています。

 

これが日本企業の利益、産業の活性化、日本経済の成長にプラスになるのか?大きくマイナスになるのか?労働の現場に全く関わらず、国民にいい顔をして人気を取る事しか頭にない政治家はよく考えるべきです。

 

長時間労働問題に関する必要な議論は「残業時間」だけではありません。
「残業100時間は是が非か」という表面的な議論だけ
議論されては事の本質を見誤ります。

要は労働者の技術習得や生活費の安定と健康確保を両立していけるのかという問題なのです。

 

今後の日本の方向性を決定する重要な議論ですので、政治家には本質にかえって考えていただきたい問題です。